「車の目」であるヘッドライトはかつてはガラス製でしたが、現在では耐衝撃性や透明性に優れたポリカーボネート（樹脂製）に変わっています。
素材変更により、ヘッドライトの黄ばみや曇りが多くのオーナー様を悩ませる問題となっています。
この黄ばみや曇りの原因、それに伴うデメリットについて解説します。
ヘッドライトが黄ばむ・曇る原因
車のヘッドライトが時間とともに黄ばんだり、曇ったりするのは主に、太陽の紫外線、高温、物理的な傷、および被膜の劣化といった複数の要因によって引き起こされます。
・紫外線
- ポリカーボネート素材は紫外線に弱く、長期間太陽光にさらされることで黄ばみが進行します。
- 車の外側に常にさらされているため、太陽光の影響を受けやすいです。
・熱
- ポリカーボネートは比較的高い耐熱性を持っていますが、ヘッドライトの裏側で発生する高温が黄ばみや曇りの原因になります。
- ヘッドライトのライトバルブからの熱がポリカーボネート素材を徐々に劣化させます。
・傷
- ヘッドライトは車のフロント部分に位置しているため、飛び石などによる傷がつきやすいです。
- 小さな傷でも、時間とともに汚れが侵入し、黄ばみの進行に繋がります。
・ヘッドライトの被膜の劣化
- ヘッドライトの保護層であるハードコートも時間が経つにつれて劣化します。
- 紫外線、高温、物理的なダメージによって、この保護層が徐々に劣化し、黄ばみや曇りの原因となります。
これらの要因やそれぞれが重なることでヘッドライトは黄ばみ、劣化します。
曇り・黄ばみによるデメリット
ヘッドライトの黄ばみや曇りには、見た目だけでなく機能面にも大きなデメリットがあります。以下にそのデメリットをまとめました。
・車の美しさが損なわれる
こちらはポルシェ911のヘッドライトです。
911シリーズはポルシェを代表するデザイン性の優れた車の1つでありますが、ご覧のようにヘッドライトが黄ばみとシミで車の輝きが損なわれてしまっています。
このように高級車を含む全ての車種で、ヘッドライトの黄ばみや曇りは車全体の美しさを損ないます。
ボディがいくら綺麗でも、ヘッドライトが曇っていると車全体が古く見え、その魅力が半減します。
・ヘッドライトがひび割れてしまう
ヘッドライトの傷は黄ばみの原因になりますが、これを放置すると傷が拡大し、紫外線の影響でヘッドライト表面に細かなひび割れが生じることがあります。
進行すると黄ばみが内部に浸透し、最終的にはヘッドライトの交換が必要になる場合があります。
交換費用は片側だけで10万円を超えるなど高額になりがちです。高級車では50万円を超えることも珍しくありません。
・夜間運転の安全性の低下
ヘッドライトの曇りは夜間走行時の視界を悪化させ、事故のリスクを高めます。
十分な光量が確保できないため、ドライバーの視認性が大幅に低下し、安全運転に支障をきたします。
・車検が通らなくなる可能性が上がる
ヘッドライトは車検の重要なチェックポイントの一つです。
2015年の検査基準強化以降、ヘッドライトの黄ばみや曇りが原因で車検に通らないケースが増えています。
これにより車検前に交換が必要となり、追加の大きなコストが発生する可能性があります。
このようにヘッドライトが黄ばんだり、曇った状態で放置するのには様々なデメリットがあります。
黄ばみ・曇りの対策
ヘッドライトの黄ばみや曇りは、見た目の美観を損なうだけでなく、夜間の安全運転にも影響を及ぼします。
以前はこれらの問題を解決する手段が限られていましたが、現在はプロテクションフィルムの登場により効果的で経済的な対策が可能です。
紫外線を93%カットするフィルムで保護
新車時や黄ばみ・曇りがまだ進行していないヘッドライトに最適な対策は、プロテクションフィルムの使用です。
このフィルムは紫外線を93%カットしヘッドライト表面の小傷を防ぐことで、長期にわたってヘッドライトの透明性を維持します。
既に黄ばみや曇りが発生している場合は、プロフェッショナルによる研磨で黄ばみや劣化を除去しフィルムで保護することができます。
プロテクションフィルムで黄ばみを抑えられます
このようにヘッドライトは様々な原因で黄ばんだり曇ったりします。しかし、プロテクションフィルムを施工することでヘッドライトの寿命を延ばし夜間の視認性を保ちながら、車の美観を維持することが可能です。